
こんにちは。
次男が自閉症スペクトラムのしのです。
皆さん、「きょうだい児」って聞いたことありますか?
障害や疾患などがある人のきょうだいのことを指します。
このきょうだい児、うちにとっては自閉くんの兄・姉に当たるのですが、きょうだい児にしかわからない苦悩や悩みを抱えている方も多くいるのです。
そんなきょうだい児の悩みとは?
障害児の家族として、私自身も避けては通れないこの問題についてまとめてみました。
障害児のきょうだい『きょうだい児』の苦悩


きょうだい児にしかわからない苦悩はたくさんあります。
きょうだい児の寂しさ・不満
兄弟に障害のある子がいると、親が障害のある子に手がかかり、不満や寂しい気持ちを抱くことがあります。



特に幼い頃は、親の愛情がたっぷり必要な時期だよね。
そんな時に兄妹に嫉妬したり寂しい思いばかりさせてしまうと、精神的に不安定なまま大人になってしまう恐れがあります。
これはきょうだい児に限ったことではないですが、兄妹に障害児がいる場合は特に顕著に感じる機会が多いです。
きょうだい児の自己嫌悪
きょうだい児は、物心ついた頃から周りにからかわれたり、障害のある兄妹が迷惑をかけたりすると謝ったり、通常では経験しないような特殊な気持ちを味わってしまうことが多くあります。
自分に置き換えて考えてみると、もし兄妹に障害児がいたら、「恥ずかしい」と思ってしまう時期もあっただろうと思います。



それは仕方のないこと。
責められる感情じゃないよね。
「そんなことを言うもんじゃない」と言うのは簡単ですが、人の心はそう単純ではありませんよね。
そういったことによって自己嫌悪を抱き、自分を追い詰めてしまう可能性があります。



理想論ばかり説いていたら、子どもの心は抑圧されてしまうかも。
自分の優先順位を低く感じる
「〇〇ちゃん(くん)は分からないから我慢してね、お姉ちゃん(お兄ちゃん)だから我慢してね」などの親の発言で
- 自分は後回しなんだ
- 自分はしっかりしなくてはいけない
- 障害のある子は何をやってもいいんだ
など思わせてしまうと、自分は大切にされていないといった心の傷を抱えることになってしまいます。
きょうだい児は、好きできょうだい児として生まれたわけではありません。
きょうだい児の結婚
また、大人になってから結婚という人生の大きな決断の中でも、障壁となることがあります。
身内に障害がある者がいるということで、遺伝などの心配から相手の親後さんに認めてもらえない、という話も現実として聞きます。
一緒になりたいと思える人が見つかった時、兄妹の存在によってそれが実現できないというのはどれほど辛いことでしょう。



遺伝や将来のことを心配するのも親心。
それを不憫と思うのも親心。
これはとても難しい問題ですね。
親なき後の問題
そして親無きあとの問題です。
障害のある子の親は、その子の将来がもちろん心配でしょうが、親よりもずっと長く付き合っていくことになるきょうだい児は不安を抱いて当然でしょう。



普通に考えて子どもより先に親はいなくなりますね。
親の存在が無くなったあと、残されたきょうだい児が障害のある兄妹を気にかけて生きていくことになるのです。
「何もしなくていいから」と言われても、そういうわけにはいかないのが現実です。
障害のある人には難しい手続きや金銭面の管理など、どうしても手を借りることがあるでしょう。



難しい手続き類なんかは、本人ができないパターンも出てくるよね。
きょうだい児は、そういった「役目」を背負いながら生きていくことになります。
年金管理人などもそうですね。


きょうだい児の反応


例えば幼い時によく障害のある子の面倒を見る「いいこ」であっても、我慢の積み重ねによってある時点で爆発することがあります。
こういうタイプの子は、親の期待に応えよう、親から褒められたい、と自分でも気付かないうちに頑張りすぎてしまうのです。
また、ある時点から反抗的で攻撃的な行動に走る子もいます。
問題行動を起こすことで、親の関心を引こうとしているのです。
いずれのパターンでも、また目立った特徴に表れなくても、みな同じように負担を感じており苦悩しているということを理解しなくてはいけません。
「いいこで助かる、任せよう」「もう手に負えないから放置しよう」ではきょうだい児はどこかの時点で限界がきてしまうでしょう。



子どもが何を考えてるのか?無理していないか?
いつもアンテナを張っておこう!



サインを見逃さないようにしたいね!
きょうだい児の苦悩を減らすには


きょうだい児との時間を大切に
障害の有無にかかわらず大事なことですが、子どもに障害児がいる場合、より意識して他の子どもと時間を作る必要があります。
どうしても、普段の生活の中で障害のある子に気を向ける比率が多くなってしまうからです。
「自分はないがしろにされている」という感覚を子ども自身、知らず知らずのうちに溜めていっています。



分け隔てなく大切に思っているということを伝えなくてはいけません。
障害のある子に時間をとられるのは分かりますが、できるだけ頻繁に他のきょうだいをお膝に乗せて、



いつもありがとう。
大好きだよ。
とちゃんと言葉にして伝えましょう。
大きくなってくるとお膝には乗らないでしょうが、感謝の気持ち、大切に思っている気持ちは変わらず伝えましょう。
子どもたちの自己肯定感を育て、愛情を惜しみなく与えることで、きょうだい児の持つ複雑な感情を親も一緒に受け止め、批判せず、一緒にクリアしていくことが大事です。
きょうだい児が1人になれる時間を作る
同じ園や学校に通っている場合、家ではきょうだい児1人の時間を作ってあげましょう。
同じところへ通っていると、園内や学内で障害のある子の世話をやいたり、気に掛ける時間が長くなります。
本人にそんなつもりがなくても、お世話しなきゃ!という意識が働くものです。
また、しょうがいのある子のことで嫌な気持ちになることを言われることもあるかもしれません。



外でも家でもそうでは、きょうだい児は休まる暇がありません。
どんなに楽しそうにしていても、自分のことだけを考える時間を作ってあげるといいでしょう。
きょうだい児の気持ちを理解する
きょうだいに障害児がいることで苦悩することは避けられないことでしょう。
例えば
- 障害のある兄妹がからかわれることに怒りを覚える
- 兄弟が障害児だと友達や交際相手に話せない罪悪感
- 障害のある兄妹の癇癪や多動によって不満を持つ
など、障害のある兄妹を大切に思う故に苦しい思いをすることや、自分自身に迷惑がかかることで怒りが湧いてくることもあるでしょう。
その時は心から寄り添って、辛い気持ちを聞き、理解してあげましょう。
「そんなこと言うもんじゃない」など言ってしまうと、子どもは本当の気持ちが出せなくなります。



きょうだい児の苦悩を否定しないこと!
障害児ときょうだい児の対応に差をつけない
障害のある子もきょうだい児も同じように悪いことをしたら叱り、同じように大好きという気持ちを伝え、そこに差をつけないことが大切です。
『知的障害があってわからないから仕方ない』ではなく、形だけでもほかの兄妹の前で注意し、同じように扱いましょう。
特にきょうだい児の邪魔をした時やおもちゃを取った時など、「仕方ないでしょ」ではなく、きちんと障害のある子に「そんなことしないね。お兄ちゃんのだよ。」などきょうだい児のことを考えて対応しましょう。



障害の有無は関係なし。
きちんと叱る姿勢を見せることが大切!
うちでもそうなのですが、きょうだい児は「〇〇くんだから仕方ないね。」と諦め許そうとします。
4歳児ですらそういう気持ちを持っています。
しかしそこに甘えて「そうだね」で済ませるのではなく、「優しいね。ありがとう。でもこれはお兄ちゃんのだから〇〇くんダメだよ。」など伝わらなくても長男の前で一言添えるようにしています。
きょうだい児が我慢することを当たり前としないようにしましょう。
- きょうだい児との時間を大切にする
- きょうだい児が1人で自分のことだけを考えられる時間を作る
- きょうだい児の寂しさ・我慢を理解してあげる
- 障がい児ときょうだい児の対応に差をつけない
親としてできること


うちの場合、自閉症である次男はまだ3歳で、ほかのきょうだいは今のところは次男が話せないことや何もできないことに関して、仕方ないね!といった反応です。
詳しいことは理解していないですし、どうして違うのか深く考える年頃でもありません。



今は兄姉にとっても、とにかく可愛いだけの末っ子です。
ただしこれが小学校、中学校と進んでいくとまず周りの反応も変わってくるでしょう。
からかわれることもあるかもしれません。
次男が人に迷惑をかけ、兄姉が申し訳ないという気持ちを抱くことがあるかもしれません。
そのために兄姉が謝るということが出てくるかもしれません。
そんな時に、どうやって乗り越えていくか、その気持ちの土台となる精神的な強さ、優しさ、芯の部分を作り上げるのは家庭です。
家族に障害児がいるいないに関わらず、親が前向きに育児を楽しんで過ごしていたら、親の姿を見て成長する子どもたちも自然と前向きになるのではないでしょうか。
子どもにとって育っていく環境、親の姿勢は成長に大きく影響を与えます。
きょうだい児に必要以上の負担をかけることなく、努力も苦悩も認め、たくさん褒め、常に一番の味方であることを伝えていくことが親としてベストだと考えます。



親も一生懸命!
好きなことに没頭する時間も確保し、自分自身の心もケアしながら、家族で頑張っていけたらいいですね。
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