
こんにちは。
5歳男の子+3歳双子ママ、しのです。
女性にとって一世一代の大仕事、出産。
お腹の中でどんどん大きくなる赤ちゃんと、出産に備えて静かに覚悟を決めていく妊婦さん。
逆子や持病の関係などで帝王切開になることはありますが、基本トラブル無しでは下から産むことが多いですよね。
私も長男の時、その予定だったのですが・・・。
なんと3日も出てきてくれず、まさかの吸引分娩に!
吸引分娩なんて全く知らなかった私は、一体何が始まるのか、何をされるのかわからずどうにでもなれ状態。
一体どんなケースが吸引分娩になるのか、リスクはないのか?
出産を控えるママたちの予備知識となるように、私の3日がかりの出産レポートを交えてまとめてみました。
吸引分娩とは?


赤ちゃんの頭に吸引カップを装着し、陰圧をかけて引っ張ることで分娩を助ける方法



赤ちゃんの頭をすっぽーーーん!と引っ張るんです!
びっくりですよね?
なんだかすごく原始的な方法に思えますが、吸引分娩でやっと赤ちゃんに会えたという人は多いんですよ♪
吸引分娩になるケース


お産が難産になった時。
母親の体力が持たず赤ちゃんが長時間出てこれない状態が続いたり、赤ちゃんの心拍が下がってきたなど急いで赤ちゃんを外に出す必要が出てきた場合、吸引措置がとられます。



私の場合、3日かかった末に吸引分娩になりました。
吸引分娩のリスク


吸引分娩リスク① 頭血種
赤ちゃんが産道を通ってくるとき、骨盤の狭さや吸引によって圧迫されることが原因で頭にこぶ(血種)ができた状態。
出血量として多量となることはなく、大きな危険となることは少ない。
吸引分娩リスク② 帽状腱膜下血種
頭血種と同じくこぶ(血種)ですが、広範囲に広がり得ることがあり、巨大な場合ショックに陥ることがある。
吸引分娩リスク③ 頭蓋内出血
胎児低酸素症によるものが多いとされるが、頭蓋骨内部で出血が起こること。
出血の場所により、くも膜下出血など命に関わる状態になることがある。
リスクというわけではないのですが、吸引で引っ張られた時に頭が伸びた状態で産まれてしまうことがあります。
しかしこれはほとんど時間とともに元に戻ります。
吸引分娩による出産レポート


1日目(出産予定日4日前)陣痛開始
深夜3時、お腹の痛みで起床。
トイレに行ってみると、鮮血が。
5時まで自宅で様子をみていましたが、痛みが10分間隔になったので病院へ電話し、入院セットを持って行きました。
まだ陣痛の間隔にばらつきはあるものの、このまま入院となりました。



ここからの戦いが長かった~!
子宮口が開かない
陣痛がどんどん強くなっていき、痛みで吐き気も止まらないように。
熱は37.5度をずっとキープして、何度も内診でグリグリ。(これが激痛!!)
強固な子宮口は何度グリグリされても2cmから開かず、午後からバルーン処置をすることになりました。
子宮口が開かないときに膣に挿入し、陣痛を誘発するために用いる器具。
水風船のような形をしているのでバルーンと呼ばれています。
バルーンを入れたあとは違和感もあり、陣痛の波がくる度に絶叫。
「いきまないで!」と言われるもどうしても体に力が入ってしまっていました。



いきみ逃しの下手さといったら・・・。
2日目 陣痛促進剤
それでも3cm以上にならない子宮口。
翌日、促進剤を使うことになりました。
痛みの間隔がさらに狭くなって、点滴がMAXの時はずーっと叫んでいたように思います。
腰が砕けそうに痛く、体力の限界に。
しかし、子宮口が開かない。
助産師さんたちも



これは辛いね。
帝王切開も視野に入れようね。



もうこの苦しみが終わるなら早く切ってほしい~!
とにかく早く早くと帝王切開を切望する妊婦になっていた私は、担当医が帝王切開の承諾書を持って入ってきたときは安堵しました。



これでやっと終わるんだ・・長かった!
さっさとサインし、よっしゃと思ったのも束の間、内診した医師から出た言葉はその希望を打ち砕かれるものでした。



子宮口4cmになってるよ~
もう一晩頑張ろう。
まだ喋れるでしょ?
まだ喋れるからって余裕でしょ?的な言葉に絶句。
(喋れなくなってからは手遅れなのでは・・?)
今となっては下から産める可能性があるうちは母体のことも考えるとそれが一番なのは理解していますが、その当時の心境は鬼!!でした。
まさかの生殺し宣言に、もう一晩耐えることに。



陣痛の合間に寝てね。



寝れるかー!!
会社を休んでつきっきりだった夫もさすがに疲れが見え始め、ベッド横で居眠りが始まりました。



限界だったよ!
3日目 陣痛促進剤
当然眠れることもなく、3日目に突入。
帝王切開の可能性もあるのでお水もほぼ飲んではいけない状態で、叫びすぎて声は枯れ、満身創痍。
いきみ逃しのために夫はテニスボールを腰やお尻に当てたり頑張ってくれたのですが、私には全く効果がありませんでした。
朝の内診では子宮口は5cmに。
もうひと踏ん張り!ということで、促進剤再び。



必ず今日中に産ませるから、頑張れ!



もうどうにでもして…(返事もできない)。
この頃は初日にお世話してくれた助産師さんたちも



あれ?まだ産んでなかったの?頑張れ!
と応援にきてくれていました。
促進剤がスタートすると、もう無の境地といいますか、これでもか!というほどの痛みに頭真っ白で耐えるのみでした。
破水
そしてとうとう、その時がきました。
「パン!」という音と同時に破水。
子宮口を柔らかくする注射を何本か打たれ、グリグリ内診の連続です。
午後3時頃にやっと分娩台へ移動し、4時頃には子宮口全開に。
夫も立ち会って、隣で必死にウチワであおいでくれていました。



はい!いきんで!
と言われるも、なかなか赤ちゃんが出てこない。
私もここまでの経過で体力の消耗が激しく、いきんでもいきんでも力が足りていない感じがしていました。
吸引分娩に
赤ちゃんはだいぶ下りてきてはいるものの、時間もかかっていて私も疲労困憊。
赤ちゃんの心拍も下がる時があり、このままでは母子ともに危険ということで、吸引する流れになりました。
あれだけ怖れていた会陰切開も



切りますよ~!



はーい!早くいっちゃってください!
とウェルカム状態になるほど、なんでもいいからとにかく無事に早く赤ちゃんを出したかったです。
そしていよいよ、吸引カップがセットされました。


これがものすごい圧迫感!



ううーー痛いーーー
陣痛ものたうち回る痛みでしたが、これはまた別の痛み。
「せーの!いきんで!」の掛け声で先生たちが引っ張ります。
1度目は失敗。
次の陣痛の波でまたチャレンジということで、私も残る力を全力で振り絞りました。
もう一度「せーの!」でいきんで、先生たちが引っ張り、ドゥルンっという感覚とともに産声を聞くことができました。
陣痛開始から3日目、赤ちゃんと対面
長丁場になりましたが、無事に赤ちゃんを抱っこすることができました。
夫は息子が出てきた瞬間私より先に泣き、大号泣。
私はというと、もちろん感動もあったのですが、それ以上に大仕事をやり遂げ安堵した気持ちがありました。
妊娠期間中、とにかく無事に産まれることだけを願っていたので、不安と緊張から解き放たれた瞬間だったのです。



赤ちゃん3,050gあるよ!
ママ小さいのにそりゃなかなか出てこないわ!
私の150cm弱の体で順調に育っていた息子は出てくるのに苦戦していたよう。
そしてリスクのところで触れていた通り、頭が伸びていました!



宇宙人みたいになってたよ!
でもこれもすぐに戻ったのでご安心を
縫合
お腹をグッグッと押されて胎盤を出されたあと、会陰縫合
チクチク痛いのですが、もうそんな痛みは苦にならないほどの達成感と疲労感。
陣痛に比べればなんとやらと言いますが、まさにそれでした。



それよりも、切開された以上に裂けてしまい、のちのちそれが痛かったよ><
助産師さんたちの労い
処置が終わって休んでいると、3日間交代でお世話してくれていた助産師さんたちが代わる代わる労いに来てくれました。
「ほんとよく頑張ったね!」
そう言われるだけで疲労がとんでいくような、癒される時間でした。
この出産は自分でも人生で一番頑張った!と思える経験となりました。
吸引分娩で助かった命


陣痛がきてから3日もかかるとは予想外でしたが、吸引分娩のおかげで息子は元気に産まれてきてくれたのかも…と思います。
吸引分娩ができなかったら、体力が足りずいきめなくなった状態でもっと危険になっていたでしょう。
どんな形を選ぼうとも、出産は命がけですね。
普通分娩でも帝王切開でも無痛分娩でも、お母さんたちは命をかけて産んでいます。
たくさんの人が当たり前のように出産していますが、これって当たり前ではなく奇跡なんですよね。
奇跡に感謝して、そして医療に感謝して、子どもたちがここにいることに感謝して日々過ごしていきたいです。



お付き合いいただきありがとうございました♡
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